ポスタービジュアル→大英博物館 外観
↓歌川広重《「名所江戸百景 亀戸梅屋鋪」》1857年 大英博物館蔵 ともに © The Trustees of the British Museum

↑鳥居清長《「風流三つの駒」 馬貝》 1784年頃↓鈴木春信《雪中相合傘》 1767年頃 ともに大英博物館蔵 ©The Trustees of the British Museum


本展では、4万点に及ぶ大英博物館の日本コレクションから、英国から初めて里帰りする喜多川歌麿の貴重な肉筆画《文読む遊女》や円山応挙《虎の子渡し図屛風》、葛飾北斎《『万物絵本大全』版下絵》などを含む、江戸時代の屛風、掛軸、絵巻の絵画作品と歌麿、写楽、北斎、広重など代表的な8人の浮世絵師による版画を中心に優れた日本の作品を厳選して紹介。さらに、同館が日本美術の収集・研究・保存の第一線で果たしてきた
↑ 葛飾北斎《「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」》 1831年頃 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museumそれは、国際的な文化交流の歴史を振り返ると同時に日本美術の名品が大英博物館に大切に受け継がれてきた経緯がわかる展覧会となる。見どころはまず、里帰りした大英博物館の日本コレクションから江戸絵画を中心に日本美術の名品が集結しているところ。次に前述の初めて日本に里帰りするなかなか見られない肉筆画を含めた浮世絵のを中心とした数々。円山応挙《虎の子渡し図屛風》や英国ジョージ王子(のちの国王ジョージ5世)と久保田米僊(くぼたべいせん)の文化交流を感じさせる合作《蛍図》など珍しい初里帰り作品が並ぶ。また《法隆寺金堂壁画 九号壁 模本》など近年の調査で話題になった作品にも焦点を当てて紹介。圧巻は桃山時代末から江戸時代初期の狩野派の狩野宗眼が手掛けた一連の襖絵。いずれも多彩な金銀の加飾が施され、空間と一体となって輝きを放っている。大英博物館と青森県中泊町の旧家・宮越家に分蔵されていた花鳥図襖は、近年の調査で一連の作品であることが判明している。
本展では、青森の襖絵に加えてかつて大英博物館所蔵の襖絵と反対面であったアメリカのシアトル美術館所蔵の襖絵が特別出品。青森・ロンドン・シアトルに分かれた襖絵を一堂公開している。
理想的で調和の取れた世界、という象徴的な意味を持つ「四季花鳥図」は日本美術の典型的な画題で欧米人に大変好まれ、屛風、襖絵は海外に多く流出していった。今回来日した大英博物館蔵の《秋冬花鳥図襖》は秋から冬の風景が描かれており、水辺には雁、鴨、千鳥、ツバキとウメ、中景にはカエデ、フヨウ、ヒノキが見られる。繊細な花や鳥の描写と水の深い群青色は、桃山後期から江戸初期の狩野派の作品の特徴の一つである。1930年代に襖の表裏が分離され、「秋冬花鳥図」が描かれた本襖は1937年から大英博物館が所蔵。分離されたもう一方には現在アメリカ・シアトル美術館が所蔵している「琴棋書画仙人図」が反対面に描かれていた。
一方旧家・宮越家所蔵の花鳥図襖、《春景花鳥図襖》には、たっぷりと白色顔料を盛り上げて彩色したヤマザクラ、満開の花が立体的に描写されている。春を予感させる雪解けの渓流から春らんまんへと季節が移ろう情景である。大英博物館所蔵の《秋冬花鳥図襖》と岩や水辺の描写がつながり、
↑ 鳥居清長《飛鳥山の花見》 1787年頃 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum





