↑ポスター画像
→《西伊豆木負》 1937(昭和12)年6月 渡邊木版美術画舗蔵
↓《日本橋(夜明)》東海道風景選集 1940(昭和15)年 渡邊木版美術画舗蔵
↑八王子市夢美術館 受付
大正から昭和にかけて活躍した木版画家・川瀬巴水(1883-1957 明治16-昭和32年)を取り上げた展覧会。川瀬巴水は、大正から昭和にかけて活躍した版画家。衰退した日本の浮世絵版画を復興すべく、新しい時代の木版画を確立した人物の一人として知られている。日本各地に近代化の波が押し寄せ、街や風景がめまぐるしく変貌していった大正時代、巴水は日→《西伊豆木負》 1937(昭和12)年6月 渡邊木版美術画舗蔵
↓《日本橋(夜明)》東海道風景選集 1940(昭和15)年 渡邊木版美術画舗蔵
↑八王子市夢美術館 受付
↑《月嶋の渡舟場》東京十二ヶ月 1921(大正10)年10月 渡邊木版美術画舗蔵
本の原風景を求めて全国を旅し、庶民の生活が息づく四季折々の風景を描き留めていった。季節や天候、時の移ろいを豊かに表現し、日本的な美しい風景を叙情豊かに表現した。 この巴水とともに木版画制作を進めたのが、
↑《十和田子之口》日本風景集 東日本篇 1933(昭和8)年7月 渡邊木版美術画舗蔵
↓《平泉金色堂》 1957(昭和32)年 渡邊木版美術画舗蔵
新時代の木版画「新版画」を推進した版元の渡邊庄三郎(現・渡邊木版美術画舗初代)や彫師、摺師といった職人たちであった。
四者は一体となって協業し、伝統技術を継承しつつより高度な技術の活用を求め、新たな色彩や表現に挑み続け、「新版画」を牽引する存在となって人気を博した。↓《平泉金色堂》 1957(昭和32)年 渡邊木版美術画舗蔵
本展では第1章 版画家・巴水、ふるさと東京と旅みやげ(関東大震災前)、第2章「旅情詩人」巴水、名声の確立とスランプ(関東大震災~戦中)、第3章 巴水、新境地を開拓、円熟期へ(戦中~戦後)の3章の構成で川瀬巴水の初期から晩年までの代表的な作品で画業を紹介する。まとめて観る機会の少ない連作(シリーズ)も含め150点あまりの展示。叙情的な巴水の世界が豊かに広がる。
川瀬巴水(かわせ-はすい 1883~1957年): 1883(明治16)年 東京市芝区(現在の港区)に生れる。本名は文治郎。 1910(明治43)年 27歳で日本画家の鏑木清方に入門。「巴水」の画名を与えられる。 1918(大正7)年 35歳のときに、伊東深水の木版画『近江八景』に影響を受け、木版画家に転向。 1957(昭和32)年 74歳で逝去。
新版画:大正から昭和にかけて興隆した多色摺木版画のこと。絵師、彫師、摺師の協業によって生み出される浮世絵の伝統的な技術を継承しつつ、新しい表現を取り入れ、より創作的・芸術的な版画を目指して制作された。