↑左から荒木十畝《四季花鳥》のうち「冬(山澗雪霽)」、《四季花鳥》のうち「秋(林梢文錦)」、《四季花鳥》のうち「夏(玉樹芳艸)」、《四季花鳥》のうち「春(華陰鳥語)」1917(大正6)年 絹本・彩 山種美術館
山種美術館の春恒例の花が描かれた作品の展覧会である。 四季折々を彩る花々は時代を超えて人々に季節を伝え、心を魅了してきた。季節ごとに芽吹く木々や可憐にまたは艶やかに咲き誇る花々の姿は個性豊かな画家たちにも実に魅力的なモティーフである。それぞれの個性が映し出された花の傑作は数知れない。
本展では『花・flower・華』のタイトルどおり美術館が所蔵する奥村土牛、渡辺省亭、横山大観、小林古径、菱田春
↑ 奥村土牛《醍醐》1972(昭和47)年 紙本・彩色 山種美術館
草、福田平八郎、山口蓬春、といった日本画の大家の作から花をモティーフとした作品で春が彩られている。第1章「百花繚乱-花の絵画-」、第2章「人と花」の構成で見どころは、樹齢約170年といわれる京都・総本山醍醐寺の名木「太閤しだれ桜」を描いた奥村土牛の《醍醐》、妖しげな美しさをも醸し出す福田平八郎《牡丹》、四幅揃いで艶やかで圧巻な荒木十畝の《四季花鳥》、『伊勢物語』
↑横山大観《春朝》1939(昭和14)年頃 絹本・彩色 山種美術館
第九段「東下り」に題材を得た金地の屏風川端龍子の 《八ツ橋》 、幻想的な美しさで見る人を惹きつける千住博の《夜桜》そしてまるで植物図鑑のように四季の草花100種を描いた田能村直入《百花》。日本画だけではなく、梅原龍三郎の《薔薇と蜜柑》、中川一政の《薔薇》、と洋画の作品も紹介されて作品は約60点。春のひとときを心優しく穏やかに過ごせる展覧会である。絵画鑑賞の後は、館内エントランスのカフェでこちらも展覧会オリジナルの特製和菓子で心地よいティータイムを。※本サイトに掲載の作品はすべ山種美術館蔵
↑田能村直入《百花》1869(明治2)年 絹本・彩色 山種美術館
『【特別展】花・flower・華 2024 ―奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら―』会場:山種美術館(渋谷区・広尾) 会期:2024年3月9日(土)~5月6日(月・振休) 開館時間:10:00~17:00/ 入館は閉館の30分前まで ※入館日時のオンライン予約可 休館日:月曜日 ※4月29日(月)、5月6日(月)は開館 入館料:一般1400円、[春の学割] 大学生・高校生500円※本展に限り、特別に入館料金が通常1100円のところ500円。中学生以下無料(付添者の同伴が必要です)※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)一般1200円 ※きもの特典:きものでご来館のお客様は、一般200円引きの料に。※複数の割引・特典の併用は不可。相互割引サービス:太田記念美術館、戸栗美術館チケットの提示で入館料を100円割引に。山種美術館の入場受付時にご提示を。※いずれも対象券1枚につき1名様、1回限り有効。※入館チケットご購入時に受付にご提示を。購入後の割引は不可。※他の割引との併用は不可。※オンラインチケットは割引対象外。アクセス:恵比寿駅西口1番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分、渋谷駅東口ターミナル54番乗り場より日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分 主催:山種美術館、朝日新聞 協賛:住友林業株式会社